バランサーチェーンの調整

正月休も終わりの1月4日、年末に出来なかったDRの整備をしました。

 

オイル交換の時期が来たので、ついでにバランサー(注 下記参照)チェーンの調整をする事にしました。

DR750&800Sのエンジンはバランサーがチェーン駆動なので、

定期的にチェーンの張りを調整する必要が有ります。

(マニュアルの指示では12000km毎)

バランサーチェーンはマグネトーカバー内にあるので、調整するにはエンジンオイルを抜かなければいけません。

オイルを抜かずに右に傾けて作業するという荒業も有りますが、通常はオイル交換と一緒に行うのが無難。

エンジンオイルとカバーパッキンを用意して作業にかかります。

 

エンジンを暖機後、オイルを抜きます。

マグネトーカバーを外す時に邪魔になるのでアンダーガードをあらかじめ外しておきます。

マグネトーカバーを外し、バランサーチェーンの張りを調整します。

走行距離が45000kmの割にはチェーンは余り緩んでないようです。

チェーンの張り具合は、張り過ぎず、たるみ過ぎず。

次回の調整までの整備スパンを伸ばそうとピンピンに張ると、

チェーンやバランサーの軸受などにストレスを掛けてしまい逆効果です。

たるみ過ぎも良くないですが、張り過ぎも良くありません。

このバランサーチェーン、バランサーを駆動するだけではなく、このチェーンを介してカムチェーンも駆動しています。

かなり重要なパーツです。

 

さて、ここまでは順調に進んだのですが、カバーガスケットがくっついてなかなか取れません。

ガスケットは石綿の様な、紙の様な、そんな感じのもろい物で、ポロポロと剥がれてなかなか取れません。

しかしガスケットの残りカスを綺麗に取り除かないと、後々オイル漏れの原因になるため

スクレーパーでチマチマと取り除きます。

通常は、ガスケットの取り付け面は脱脂してガスケットを組みますが、

定期的に分解する部分ですからガスケットの表面に薄くグリスを塗布し、

カバーとクランクケースの合わせ面にガスケットが固着してしまわない様にすると次回が楽です。

オイルがダダ漏れになっては困りますが、定期的に分解する所なので、

少しにじむ程度ならそれ程神経質になる必要もないでしょう。

幸い作業後にオイル漏れはないみたいです。

ちなみにカバーの取り付けボルトは、通常の組み付けの様に

対角に位置するボルトを順番に締め付けてはいけません。

対角で締めていくとカバーの歪みが中央に集約されてしまうので、中央付近のボルトから外側に順番に締め、

歪みを外へ逃がしてやります。

それ程神経質になる必要も無いでしょうが、念のため。

 

早朝の寒い中、1時間ほどで終わるつもりが、ガスケットの除去に手間取り2時間以上掛かってしまいました。

マニュアルによるとバランサーチェーンの調整は12000km毎にやるように書いてありますが、

実際にやってみた感じではそれほどシビアでもないようです。

このあたりは乗り方にもよるのかもしれませんが。

ちなみにDRのエンジン、マニュアルによるとシリンダーヘッドの締結ボルトを6000km毎に増締めするように

指示されています。

ヘッドのボルトは当然ヘッドカバーを外さないと締めれませんが、

ヘッドカバーはエンジンを車体から下ろさないと外せません。

バランサーといいシリンダーヘッドといい、ワークスマシンを彷彿させる愉快なエンジンですね。

ワークスエンジニア気分が満喫出来ます(-_-;)

 

注) バランサー

エンジンの振動を減らす為に空転させるおもり。

シリンダー内の混合気を爆発させて動力を得る時の反動を打ち消す為におもりを回します。

多気筒エンジンのように他のシリンダーでバランスできないシングルエンジンではバランサーも重要。

まれにバランサーを持たないエンジンも有り、ヤマハのSRもバランサーを持ちませんが、

振動面では不利になります。

ちなみにDR750Sのエンジンは2個のバランサーを持つ2軸バランサーエンジンで、

ビッグシングルにしては高回転まで割とスムーズに回る。

はずです。多分。

 

今回の出費

11483−44B00 マグネトーカバーガスケット 1440円

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