エンジンオイルの選定

01年9月

追記 04年9月

エンジンオイルの選定は楽しい悩みの一つ。

なんですが・・

 

僕の場合は、以前はカストロールのRSを使っていました。

ディスカウントショップ等で安く買えるうえ、100パーセント化学合成油で10W−50という高性能オイルです。

DRのオイル指定は10W−40ですから、これを充分に満たす性能を有しているはずです。

しかし実際に使ってみるとエンジンが高温状態になった時に熱ダレの為か、がさつな回り方をします。

特に夏場に長時間走ると、ハッキリ体感出来るくらい変化します。

元々乗用車用のオイルですからバイクに適合するかどうかも怪しいのですが

空冷ビッグシングルにはなおさら熱的に苦しいのかもしれません。

それともう一点、DR−BIGはシリンダーヘッドの潤滑が弱いらしく、長時間乗らなかったりすると

始動時に油膜切れを起こし、カムシャフトにダメージを与えかねないという話を聞きました。

これは高温状態でも同じ事が言えるのかもしれません。

そこで、それらを解決する為にオイルの銘柄の変更を検討することにしました。

それならオイルのグレードを上げれば良いと考えがちですが、問題はそう簡単じゃない。

 

オイル性能の基準はいくつかありますが、その中の一つに10W−50等と書いてある数値があります。

これは低温での性能10Wと、高温での性能50というのを表しています。

10Wという数字が小さくなるほど低温状態でもオイルが硬くなりにくく、

50という数字が大きくなるほど高温状態でも油膜が切れにくいという事です。

例えばカストロールRSの上級グレードに当たるSYNTRONを見てみると、5W−50となっています。

つまり数値を見る限り、低温域での性能は期待できても高温域での安定性はそれほど期待できません。

さらに、この数字の幅が広ければそれだけ万能なオイルを意味する訳ですが、

高温に強いオイルといっても硬いオイルではないという話を聞いた事があります。

これらのマルチグレードな高級オイルは、もともと柔らかいオイルをベースにして

高温で油膜が切れないように添加剤等で工夫してあるというのです。

今問題にしているのは低温域でのオイル性能ではなく、高温域でいかに安定させるかという事。

つまり添加剤等に頼るだけでなく、単純に硬めのオイルの方が良いのです。

だから10Wという数字は大きく、更に50という数字もなるべく大きくしたい。

しかしレーシング専用オイルなどでは60という物もありますが、一般的には50が限度。

そこで同じ50でもWの数字ができるだけ大きい物を選定したいのですが、

これも一般的には10W前後。

高性能オイルとうたっている銘柄のほとんどはこの数字の幅が広く、万能的な性能を目指しています。

私は万能でなくても良いから希望する所だけ効果が期待できる物が欲しい。

余計な性能がついているだけで効果が期待できない物に高い金は払えない。

安いオイルなら交換するのも惜しくないし、安くて高性能な物が本当に良い物だ(そんな無茶な)。

そんなワガママな注文に見合う銘柄なんてあるのか?と思ったら、見つけました。

それは「ホンダ ULTRA・GP 20W−50」というもの。

(現在は名称がS9に変わっています。当然パッケージも変わっています。

値段は変わっていませんが、オイルの色は変わってるので中身は変わってるみたいです。)

20W−50の数値がより高温重視な予感。

2輪用なのでバイクに使うのは全く心配がありません。そのうえ価格は1リットル缶が980円。

DRのオイル使用量は2.6リットルですから3000円程度で済みます。

何故ホンダなのか?というと、近所のホームセンターには20W−50はコレしか無かったから。

ヤマハの純正オイルもありましたが、これは全て10W−40のみ。

このULTRA・GPも10W−40と、20W−50があるので、他のメーカーの物でも探せばあるのかもしれません。

バイク用品店等に行けばもっと選びようがあるかもしれませんが、わざわざ遠いところに出掛けて

わざわざ高い買い物をする気にもなりません。

それに引き換えこのULTRA−GP、すぐ近くで手に入る上、安い。

2輪用有名銘柄がおおむねリッター当り2000円前後する事を考えるとコストパフォーマンスは抜群。

早速交換。

 

丁度ツーリングに出かける予定があったので、オイルの効果を確かめる良い機会です。

高速道路を走り、下道で渋滞にハマるという、オイルの効果を確認するにはうってつのツーリングでした。

そんな状況下で油温は120度位まで上昇しましたが、特別目立った熱ダレ感は無く好印象でした。

しかし、9月下旬ともなると、朝の始動後しばらくもたつく感じがします。

オイルが硬いと冬場は始動直後に循環しにくくなりそうなので、柔らかめに変更した方が良いかもしれません。

 

追記

ホンダのULTRA・GP(現S9)はコストパフォーマンスに優れたオイルだったのですが、

その後WAKOSの4CTに変更することにしました。

ホンダのオイルが悪いと言う訳ではありませんが、オイルの良否を判断しようとした時、

悪いときは不具合が生じて初めて悪いと分かる訳で、エンジンやその他の機関にダメージを与えかねません。

そんな折、DRのエンジンをOHしたのですが、前回のOHから2万km走っている割には内部がとても綺麗な状態でした。

以前のオーナーから、前回のOHからWAKOSの4CTを使っていたという話を聞き、

エンジン内部のコンディションを実際に見て、4CTが信頼出来る物と判断しました。

ホンダのオイルを使い続けていても、何ら問題無いかもしれません。

他のオイルを使用し、2万km走行した時に、エンジン内部の損傷にWAKOSとどれ程の差が有るのかも分かりません。

ただ、WAKOSのオイルを定期的に交換した場合、2万km走行してもほとんど損傷が無いという事は実証されている訳で、

不確実な物よりは、より確信が持てる物を使いたいのです(値段は倍になりますが)。

WAKOSの4CTは10W−50になります。

これなら夏場と冬場に粘度を変える事無く、1年中通して使えそうです。

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