ファンタスティック ファンティック

ようこそ素晴らしきトホホの世界へ

FANTIC 247 の整備記録 vol3

基本整備(3) リヤ周り 他

とりあえずエンジンはかかったセニョリータ号。走り出す前にもう少し整備しておきましょう。

 

リヤ周り

リヤホイール

リヤも念の為チューブを交換しておくことにしましょう。リヤホイールを外しますが、ハブの両側にはカラーが入っていて、しかも左右で形状が異なるので、後で組み立てる時に間違えないようにマーキングしておきます。

ホイールを外したら、エアーを抜いてビードを落とします。が、細いタイヤのくせに全く落ちる気配無し。でもノープロブレム。こんな時の為に汎用のビードブレーカーを買っておいたのです。が、それでも落ちない。これはひょっとして・・・チューブレス? そういえばビードストッパーが無い。恐るべしFANTIC(というかアクロン)。何の変哲も無いリムに見えて、実はチューブレスなのか! それはさておき、ビードが全然落ちませんが、壊れる物でもないしタイヤが減った時にまた考えましょう。

どうしてスポークニップル部分からエアーが漏れないのか不思議ですが、

多分チューブレス。きっとチューブレス。どうしようチューブレス。

 

リヤサスペンション

ホイールを外したついでに、リヤサス周りを分解整備します。一見リジッドのモノサスに見えますが、スイングアームに隠れるようにリンクが配置されています。ロードクリアランスの為なのかは知りませんが、コンパクトに設計されたリンクは分解が非常に困難。スイングアーム毎ゴッソリと外してしまおうと思ったのですが、スイングアームのシャフトはエンジンのクランクケース後端でクランプしてあって、シャフト端のナットを緩めてもシャフトは抜けません。シャフトのクランプを緩めようにも奥まった位置にあってアンダーガードや車体を保持しているスタンド等が邪魔で作業出来ません。思いきって車体をひっくり返した方が手っ取り早い気がしますが、今更狭い車庫の中でひっくり返す訳にもいかず、とりあえず作業出来る所だけ作業する事に。リンク部分もシールが無いので、泥汚れがこびりついています。ベアリングは損傷していないみたいですが、一度スイングアームまで全て整備しないといけない様子。

これじゃ良く分からないと思うけど、

リンク部分がかなり奥まった位置にあります。

多分、ステアなどでリンク部分にダメージを与えない為だと思うのですが

通常は容易く分解できるリンクのシャフトが抜けません。

 

駆動系

チェーンはクリップ式の継手だったので、外して洗浄。RKの520サイズで、ベーシックなシール無しチェーンです。フロントスプロケットがかなり磨耗しています。チェーンもクタクタだし、まともに走るようになったら交換を考えた方が良さそう。スプロケットの歯数もチェック。ストック状態なのか分かりませんが、磨耗具合から、多分交換していないと思うので、これが標準じゃないかと思います。

チェーン 520

フロントスプロケット 11T

リヤスプロケット 39T

 

リヤブレーキ

リヤブレーキキャリパーも掃除。リヤはパッドがかなり残った状態。キャリパーを固定するボルトが1本脱落していて、キャリパーとハブが干渉していた模様。適当なボルトで固定しておきます。それと、ブレーキローターのカバーが割れています。これではカバーの役割を果たしそうに無いので、アルミ板でシャークフィンを製作。僕がブレーキローターにダメージを与える様な所を走るとも思えませんが、素人故に変な転び方をしないとも限りません。ガード類は有るに越した事はありませんからね。

純正のローターカバー。取付部分で割れています。

割れているという事は、そういう使い方をしていたという事でしょうね。

とりあえず純正カバーと同じ寸法でガードを製作してみました。

取り付け穴の位置が平面的なので、特に難しくありません。

 

その他

ミッションオイル

2stエンジンなので、それほど神経質になる事もありませんが、長年放置されていたのですから交換すべき。ミッションオイルなので普通はシングルグレードのオイルを使うと思いますが、マルチグレードじゃないと始動時にクラッチが張り付くというアドバイスを頂いたので、それなりの4stエンジンオイルを使うことにします(MOTULの300V推奨)。MOTULはかなり高価だし、他に使う当ても無いので、ウチに残っていたWAKOSの4stオイル(4CT)を入れてみることに。多分300Vも4CTもそれ程大きな違いは無いと思うのですが、ミッションの潤滑に2,200円/Lのオイルだよ。トホホ・・。でも容量は少ないので、1Lで2回は交換出来ると思います。手持ちでアルミワッシャー(ガスケット)が無かったのでそのまま使いましたが、ペッタンコなので次回は用意しておきます。

ドレンボルト ガスケット  M14アルミ

ブリーザー ガスケット(注入口)  M14アルミ

 

電装系

整備のために外していたタンクやライトを戻します。元々がコンペマシン(競技用車両)みたいで、ウインカーリレー等の保安部品関係が後から取って付けたような物。しかも収めるスペースが皆無。どうも以前もトラブルを起こしていたみたいで、ハーネスも補修の跡があります。それだけならまだしも、ハーネスからヘッドライトユニットへ繋ぐカプラーの電線が切れています。電線をたどるとどうもウインカー関係みたいで、ウインカーが点かないとちょっと問題。カプラーの根元でちぎれているので今更補修のしようがなく、やむなくカプラーで繋ぐのはあきらめて、その線だけ汎用のギボシ端子で接続しておきます。

僕は今までハーネスまで気を配られている中古の車両を見たことがありません。でも、機械的なメンテナンス同様、電気的な装備もきちんと管理しないとトラブルの原因になるし、今回の様にマイナーな外車となると電気図面の入手も困難で、復旧させるのがとても難しくなります。トライアル車はハンドルの切れ角が半端じゃなく、その分ハーネスにも負担が掛かりやすいので、相当気を配らないとトラブルの発生率が高くなると思います。

タンクとフレームの隙間も無く、

収めることが出来ないハーネスとウインカーリレー。

もう少しスッキリさせないとトラブルを起こしそう。

 

ハンドル周り

左側にミラーが無いので、ミラーも購入。トライアル走行だけなら必要ありませんが、通勤でも使いたいので安全の為左側も欲しいところ。でも、ミラーの取り付け穴は有りません。そこで、ハンドルにクランプするタイプのトライアルミラーを購入。安いので左右両方買って、古い右側は予備にします。

これじゃよく分からないと思いますが、

「トライアルミラー」で検索するとすぐ出てきます。

ミラーの取り付け穴が無いコンペマシンベースの車両には最適で、

フレキシブルで格納も出来てその上安くてgoodなのですが、

実際の走行では振動でよく見えません。

ちなみに、ハンドルバーにキルスイッチが3つ有ります。

トライアルはいついかなる時でもすぐにエンジンが切れるようにする為

かと思いきや、1つはウインカーのスイッチでした。

 

登録

前オーナーさんが登録を抹消していなかったので、ナンバーは付いたまま。自賠責保険と名義変更だけでOK。知り合いの車屋さんに手続きをお願いしました。

とりあえずこれで走れる状態になりました。ウインカーもちゃんと点滅するし、ストップランプも点灯するし、ヘッドライドも点きます。細かい部分でまだ手を加えたい所が多々ありますが、それはちゃんと走るか確認した後で、おいおい行っていきます。

さぁ、ファンなセニョリータでレッツ・トライアル! と、思ったけど、もう寒くてライダー側が始動困難です。

 

今回の出費

ミラー タカツ トライアルミラー 右  803円

ミラー タカツ トライアルミラー 左  803円

送料                  600円

代引手数料               200円

チューブ(R) 100−18ヘビー 1,680円

登録費用             15,000円

(自賠責保険9,740円+登録手数料)

計               19,086円

走るまでに掛かった費用     31,101円

 

チューブを買ったものの、チューブレスだったので使っていません。

自賠責は保険期間が長期になる程割安になるのですが、このFANTICが一体どれだけ走れるのかも不明なので、とりあえず1年だけ加入。

とりあえずは走行可能な状態まで持ってきましたが、他にも細かな不具合がてんこ盛り。しばらくはお金と手間が掛かりそうな感じです。

部品の購入、整備、改造等は、自己責任で行って下さい。ここに書かれている事を参考にして被害に遭われても、当方は一切責任を負いません。

戻る

inserted by FC2 system