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FANTIC 247 の整備記録 vol6

リヤサスペンション

(07.04 5650km)

症状

フロントフォーク、クラッチ、エンジンと、次々起こるトラブルをバッタバッタと誤魔化してここまで来ましたが、次はリヤサスからオイル漏れです。最初はダンパーのロッドが湿っている程度だったのですが、そのうち明らかに漏れ出して、このまま誤魔化せるレベルではなくなりました。放置してロッドや他の部分にダメージが及ぶ前に、何とか修理せねばなりません。

修理依頼

サスペンションユニットは、素人が触るのは難しいので素直にショップに依頼しましょう。ところが僕のFANTICのサスペンションはマルゾッキ製。サスペンションを扱うショップを探してみても、マルゾッキに対応するショップが見つかりません。多分、トライアルをやっているショップなら扱わないはずはないと思うのですが、いつもお世話になっているFANTICトライアル倶楽部のyoosaさんに聞いてみましょう。すると、快く紹介してもらえました。豊田に有るエクセルというショップです。まずは電話して、修理可能かどうかと、修理依頼する為の手順等を聞きましょう。電話に出たお店の方は丁寧な対応をしてくれたのですが、「マルゾッキのサスなんですけど。」と言うと「え!?マルゾッキ?」と戸惑いの様子。あれれ?yoosaさんお墨付きのはずなんだけど。他にアテも無いので、何とかとりあえず現物を送って修理可能かどうか見てもらえるよう押し付けお願いしました。

取り外し作業

修理してもらう為には、サスペンションを取り外して送らなければなりません。とにかくリヤサスペンションを取り外します。手順としては、リヤフェンダーを外し、タンクを外し、リヤタイヤを外し、エアークリーナーボックスを外し、リヤサスユニットを外します。サスペンションのリザーバータンクが有るので少々面倒ですが、元々簡単な構造なのでそれ程難しい作業でありません。

取り外したサスペンションを掃除して梱包してショップに送ります。

スイングアーム

サスペンションを修理してもらう間はどうせ乗れないのだし、以前整備し損なったスイングアームとリヤサスのリンク部分を分解整備する事にします。相当な期間整備されていない様子なので、今後も乗り続けるなら一度は行っておかなければなりません。

サスペンションは取り外してあるので、スペース的には楽ですが、リンク部分の分解作業が非常に困難なのは前回の作業で経験済み。そこで予めエンジン下のアンダーガードを取り外しておきました。リンクアームのボルトを外し、スイングアームを固定するクランクケース後方のクランプを緩め、スイングアーム・ピボットのナットを緩めてスイングアームのシャフトを抜きます。今回は成功。シャフトを抜いたらスイングアームASSYが取り外せます。スイングアームを外す時に、シム(厚さ調整用の薄いワッシャー)を無くさない様に注意。スイングアームを取り外してしまえば、後は広い所で楽な姿勢で作業出来ます。

前回諦めたスイングアームのシャフト部分。

画像は、スイングアームを外した後でエンジン後部を写した所。

シャフトはクランクケース後端のクランプを通っていますが、

クランプしているのはパイプで、その中をシャフトが通っています。

なので、クランプを緩めなくてもシャフトは抜けるのかもしれません。

 

スイングアーム・ピボット部分は、ベアリングではなくブッシュが使われています。

今までのオフ車ではローラーベアリングだったのでちょっと驚き。

トライアル車だからなのか、FANTICだからなのか。

 

可動部を全て分解します。中でもスイングアームとリンクアームを連結するL字型のリンクの分解が困難です。このパーツ、スイングアームの懐に入り込んだ構造になっていて、そのままではシャフトが抜けず、分解出来ません。シャフトはスイングアーム左側面に空けられた穴から抜くのですが、これが何故か微妙に穴がずれていてすんなりと抜けません。狭い部分で、しかもツルツルのシャフトですから力が入らず、手で抜くのは困難。穴の干渉する部分をヤスリで修正し、シャフトに空いているネジ穴にボルトを入れてシャフトを引き抜くことに成功。これは非常に面倒臭いです。

L字型のリンクをスイングアームと連結するシャフト。

スイングアーム側面に空けられた穴から抜きますが、

精度が悪いのかスイングアームが歪んでいるのか、

スムーズに抜けません。

 

幸いベアリングにゴリゴリ感は有りませんが、可動部はシールされていない所もあるのでマメなメンテナンスが必要みたいです。ここまで分解するのはかなり面倒臭いけど。サスペンションを送ってから3週間ほどして、修理済みのサスが戻ってきました。サスペンションは加工を施しているようで、多分これらの作業に時間が掛かったのでしょう。清掃して、グリスを充填して、元に戻します。スイングアームとリヤサスユニットを戻す時に、リヤブレーキのホースの取り回しに注意。普通に作業していれば特に考える事も無いのですが、スイングアームを外したり、リヤサスを外したりすると、それらを戻す時にブレーキホースを変な所変な所に通しかねません。取り回しを間違えると再度分解する羽目になります(経験済み(-_-;)

 

結果

当然オイル漏れは収まっていますが、乗った感じ、腰の有る動きになりました。それが走りにどう影響するかまでは今のレベルでは語れませんが。

とりあえず走れる状態にはなりましたが、まだ不具合はてんこ盛り。スプロケットとチェーンがそろそろ限界です。スプロケットは既に入手済みで、チェーンも通常の520サイズなので問題無いのですが。

 

オマケ

修理してから気付いたのですが、

リヤサスの上側固定部に亀裂が入ってました。

こんな所割れるもんかいな?

と、思ってたのですが、他のFANTICユーザーの方の話では

比較的割れやすい個所のようです。

僕の使い方なら今すぐ壊れる様な事も無いとは思いますけど。

 

今回の出費

サスペンション基本整備1式       12,000円

シールキット               2,100円

バンプラバー 800円

サスペンション加工費用(シールヘッド部) 4,000円

送料(持ち込み分)            1,000円

代引き手数料                500円

 

計                 19,600円

 

サスペンションの修理は、豊田のエクセルさんにお願いしました。

エクセル

愛知県豊田市石楠町古屋敷3

TEL/FAX 0565−58−3039

伊藤

今回は直して頂けましたが、マルゾッキはメインでは扱っていない様ですので、マルゾッキのサスを依頼する場合はよく相談して下さい。ちなみに知人のホンダTLMのサスは問題無く修理してもらえました。また、「こときちの紹介です。」と言っても何らメリットは有りません。無理な値引き交渉や横柄な態度で依頼するのはやめましょう。

部品の購入、整備、改造等は、自己責任で行って下さい。整備に自信がない場合や、壊すと困る場合は、信頼できるショップに依頼する事をお勧めします。ここに書かれている事を参考にして被害に遭われても、当方は一切責任を負いません。

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