念願のSRX。手に入れたは良いけど、かなり整備が必要な予感。
浮かれてエンジンをかけようなんて思っちゃいけない。
車体は埃を被って長期間乗っていないことがうかがわれます。
とりあえず乗らないにしても、洗車してガソリンを入れ替えるくらいはしておかないと。
タンクの錆取り
洗車してピカピカになったSRXにご機嫌。
次にガソリンを入れ替える為にタンクキャップを開けようとしたら・・・
あれれ?フタが開きません。メインキーとタンクのキーは違うのかな?と前オーナーに確認しましたが、キーは一緒。
何故開かん!?フタが開かなきゃガソリンを入れ替える事も出来ないし、乗ることも出来んぞ!
CRCを差したり、キーを何度もグリグリしたり、長い格闘の末、ようやくタンクキャップが開きました。
が、そこには今だかつて見た事が無い不気味な物体が!!
黄色いキノコのような形状の結晶がキャップの裏側にびっしりと着いています。
あまりの不気味さに画像をアップできません(本当は撮り忘れた)。
これがキャップをロックする爪の動きを妨げていた為に、キャップが開かなかったようです。
ううぅむ、しかし凄すぎる。中のガソリンも褐色に染まって、よく熟成?されている模様。タンク内部も錆模様。
あまりの形相に引いてしまい、ガソリンを入れ替える程度では済まされない事に眩暈が・・・
何とか気を取り直し、考えた手段は3つ。
1 いっそ新品のタンクに交換する
2 オークションでタンクを購入
3 地道に錆取り
新品の価格は22500円。価格が訂正されてるでしょうから、25000円くらいにはなってるかも。
現状でも外観は綺麗ですから、新たに新品を購入するのは勿体無い。
偶然にもオークションに程度良好のSRX用タンクが出ていました。
良いなぁメジャーな車種は。中古パーツ探すのも苦労が無いや。
と喜んだのもつかの間、付いた落札価格は18000円。中古タンクにそこまで金かけるか?
他にも数点出てましたが、手頃な価格の物は「錆取が必要」。って、そりゃ今のと何ら変わらないじゃん。
と言うか、今のタンクの方がよっぽどマシと思える程度です。
やっぱり貧乏人は地道に錆取りするのがお似合いのようで。トホホ
外観は綺麗なのに、中はサビサビのタンク。
っても、中は良く見えませんね。
さて、作業に掛かったはいいけど内部のガソリンを抜き取るのも一苦労。
SRXのタンク裏には燃料コックがついてるのですが、これが微妙に底より高い位置についてます。
コックからでは全てのガソリンを抜き取ることが出来ません。
また、タンクキャップ部分はフチがあるので、ここからも残さず全部は抜けません。
振り回したり、ひっくり返したりして何とか抜こうと努力しましたが、どうしても少し残ってしまいます。
これ以上はどうしようもないので、少し残った分は目をつぶりましょう。
錆取剤は色々なメーカーから販売されていますが、私は「花咲かG タンククリーナー」を使用。
何ともうさん臭いパッケージですが(笑)、メンテ系の雑誌では良く目にする銘柄です。
なぜこれにしたかと言うと、前オーナーがSRXのタンクの錆取をするために購入し物が面倒で手付かずのまま残ってたのです。
それを頂戴しました。効果の程は分かりませんが、タダなら全て良し。
既に購入から数年の月日が経っていますが、腐るような物じゃないでしょう。多分。
ガソリンタンクの錆取剤。
花咲かGシリーズはレストアラーから絶大な支持を受けてる?
しかし「アッパレ!フシギ!」って・・・うさん臭くないか?(笑)
錆取剤の説明書を読むと、まずタンク内部を洗剤等で洗い、大まかなゴミや錆を取れと書いてあります。
洗剤は色々考えた末、マジックリンに決定。
レンジフード等の油汚れを落とす物ですから、古いガソリンの油汚れにも効果が期待できそうです。
家庭用洗剤だからそのまま捨てても問題ないというのもお手軽です。
ホームセンターに4、5リットル入りの大きな業務用があったので、それを購入。
ついでにタンク内部の大まかな錆取の為にナットを購入。
タンクに入れてガラガラ振り回すという古典的な錆取り作業の為です。
程よい大きさという事でM8のナット、それをまとめる紐も購入。
ナットをタンクに入れたは良いけど、取り出せないんじゃ困ります。紐でまとめておけば、全部残らず取り出せるはず。
ボルトではなくナットを使うのも、後で取り出しやすくするため。
大雑把な錆や汚れを落とすためにタンクに入れるナット。
錆取りの為だけに使うのは勿体無いよなぁ。
ちなみに普通に売ってるM8のナットは13mmのスパナを使います。
バイクでは何故か13mmはほとんど使われません。
ガソリンを抜いたタンクにキャップとコックを取り付けて、マジックリンを原液のまま入れます。
本来はキャップやコックは外して目張りするようですが、面倒なのでこのままやっておしまい!
2/3程度マジックリンを入れたところに、紐で30個くらいづつまとめたナットを120個ほど放り込みます。
それをフリフリします。
重い・・・(-_-;) すっげー重い。でも愛するSRXの為。身を固にしてフリフリします。
体力の限界を感じた所で一旦中のマジックリンを捨て、残りのマジックリンに入れ替えて、少し水を足してフリフリ。
もうフリフリもウンザリしたところで中のマジックリンを捨て、ナットを取り出して内部を水洗いします。
中を覗くと結構綺麗になってますが、ところどころ錆が浮いています。仕上げに錆取剤を投入。
5〜10倍に希釈して使うようですが、まずは原液のままタンクに入れて振り回して全体に行き渡らせて放置。
翌日お湯を入れて希釈。本当は数時間から数十時間程度処理すれば良いようですが、
金属面を犯さない、ゴムのシール類も安心と書いてあるし、どうせ慌てて直しても乗れないので、
2週間くらいかけて傾けたり横にしたり、満遍なく処理してみました。
ただし、逆さまにするとキャップ部分から液が漏れるので、液面がキャップに掛からない程度に傾けて置きます。
長い間ガレージ内に放置していたため、子供が自転車で引っ掛けて転がしてくれたりもしました(泣)
その後、錆取剤を抜き、内部を水洗いして出来るだけ錆のカスを流し出します。
洗浄後、やっぱり少し水が残ってしまうので、薬局で消毒用のアルコールを買って来てタンクに放り込みます。
要はガソリンスタンドでやたらと勧められる水抜き剤と同じ。
水とアルコールは混ざります。水とアルコールが混ざったところで余分なアルコールを抜き、乾燥させます。
注射を思い出すと分かると思いますが、アルコールは揮発性が高いのであっと言う間にカラカラに乾燥するという算段。
なかなか良い考えでしょ!でも実際には内部に残った水分がなかなか揮発せず、完全に乾燥するまで3、4日かかりました。
ううぅ・・・あのアルコール代は全くムダだったのか!?
いや、出来るだけ水分を取り除く手間を惜しんで、まだ水が多く残っている状態でアルコールを入れたからかも。
肝心の錆取り効果はといえば、なかなかのものでした。
錆のあった部分は黒ずんだシミのような感じになってますが、錆は取れてます。
金属を犯さずに錆が取れるとは、なかなか優れものですね。
手軽なのにこれほど効果があるとは思いませんでした。確かに「アッパレ!フシギ!」です。疑ってごめんよ。
が、最後に残った水分の影響か、タンク底の鉄板接合部分は鉄錆色になってました。
少しでも錆が残っているとそこから新たに錆が進行しそうで嫌ですが、いまさらどうしようもありません。
錆取剤の説明書きには「錆を取り、新たな錆の発生を抑える」と書いてありますが、防錆効果はあまり期待しない方が良いかも。
まぁとりあえずはこんなところで勘弁してもらいましょう。
タンク内部が綺麗になったところで、燃料コックとタンクキャップも掃除しなければなりません。
錆やら何やらでコックの通路は目詰まりしています。
洗油で洗浄し、細いマイナスドライバーでホジホジします。
とりあえず通路は開通しましたが、良く見るとコックのボディに細かい亀裂が入ってます。
れれれ?何故?マジックリンや錆取剤に犯されてしまったのでしょうか?はたまた単なる経年劣化でしょうか。
詳細は不明ですが機能的には問題無さそうな所だし、結構なお値段しそうなので、元通りに組み付けてしまいました。
次にキャップ。キャップをロックする爪が動きません。錆か古いガソリンか何かで結構汚れてます。
キャップの裏側には+ネジが2本あり、それを外すと爪を動かす部分が出てきます。
分解して清掃し、注油して組み立てます。
すっきり綺麗になって、なんとか動くようになりました。
SRXのタンクキャップってレーシーでカッコイイんですよね。
さて、初めての錆取り体験でしたが、なんとか無事に?完了しました。
不備な点がいくらか見受けられましたが、今後の課題ということで(2度とやりたくないけど)。
しかしタンクがこんな状態ならキャブレターもきっと酷いことになってるのは容易に想像できます。
DRが事故のため手元にないので、SRXに掛かりっきりになれるからうれしいなぁ(泣)
今回の出費
錆取剤 花咲かG タンククリーナー 0円
洗剤 マジックリン 業務用 1580円
ナット M8 800円
紐 330円
消毒用アルコール 800円
燃料コック部パッキン 200円くらい