TLRの怪しいモディファイ

HONDA TLR200のモディファイ記録 vol.1

諸改良(バッテリー/ステップ/メーター/シフト等)

とりあえずまともに走れる状態に整備したところで、次はモディファイをやってみましょう。

おおまかな問題点として挙げられるのは、バッテリー、ステップ、シフトペダル、スピードメーター。その他にテールランプの小型軽量化、アルミハンドルの交換等もやりたいのですが、費用の問題もありとりあえずは後回しに。あと、モディファイではなく修理としてシートカバーの破れ対策があります。沢山のお金が掛る作業は無いので、これらを一気にやっちゃいますよ。

 

バッテリーレス化

まずはバッテリーから。TLR200は、6Vのバッテリーを積んでいます。これが古過ぎて使用不可能な状態になってます。バッテリーは新品でも安いので買っても良いのですが、メンテナンスを容易にする為にバッテリーレス化してみます。

実は以前FANTICの電源安定化の為に買ったコンデンサーが残ってます。FANTICは元々コンペマシンだった為電装類は直流化されておらず、交流のまま使っているようで、コンデンサーを取り付けても意味が無い事が分かり、そのまま放置されていた物です。以前大須の電気屋さんで買った物で、お店にある一番容量の大きい物(400V/470μF)が2個。2個有るのは容量を稼ぐ為で、1個で充分な容量が有れば1個でも構いません。余談ですが、以前工業系の雑誌に中国製のコンデンサーには粗悪品が多数有る、という事が書かれていました。日本では耐久性に問題が有ってとうに使われなくなった材料を、今でも使用しているからだそうです。なので、購入する際は多少価格が高くても日本製にしておいた方が、お尻の下でお漏らしたり爆発したりする心配が無くて良いと思います。

作業は至って簡単で、コンデンサーの端子に電線を半田付けするだけ。コンデンサー2個を並列につなぎます。本来は並列に配線したコンデンサーの間に小さなセラミックコンデンサーを付けるらしいのですが、容量や目的がイマイチ良く分からないのと、無くても良いんじゃね?という事で無視。コンデンサーの端子部分は絶縁チューブを入れて、更にコーキングで覆っておきます。電線の先はバッテリーの接続部分に合わせて端子を付けておきます。

黒い筒状の物がコンデンサー。

偶然にもバッテリーケースにジャストフィット。

容量的には予想以上に安定している感じで

ヘッドライトを点けてもウインカーが点滅します。

ヘッドライト&ブレーキランプ点灯状態だとまるでダメですが。

始動性も問題ありません。

ケースも外すとスッキリしますが、コンデンサーを収めるスペースが無いのと

リヤブレーキのスイッチが付いているので残しておきます。

 

ワイドステップ化

純正のステップはかなり小ぶりな物です。とんでもなくデコボコな所を走るのですから、ステップもある程度の大きさがあった方が安定します。お金を出せば改造パーツが手に入りますが、ここは安価に自作といきましょう。

自作のワイドステップ。

純正のステップの後ろ側に追加して、

更に転倒時の潰れ防止に補強を入れてます。

あまりガチガチにするとフレーム側が壊れそうなので程ほどに。

キックを踏み下ろした時に干渉しない様に

車体横方向の幅は変えていません。

 

スピードメーター

純正は極普通のスピードメーターがついてます。オフロードバイクでも良く見る標準的なメーターで、特に可も無く不可も無く問題も無いのですが、トライアル的には重たいのが難点。スピードが何キロかなんてトライアルバイクには無意味なので(そもそもスピード出ないし)、これをサイクルメーターに交換してしまおうというもの。

これもFANTICで使っていた物を再利用。PANORAMとかいう自転車用の製品ですが、最近のサイクルメーターはトライアル車の速度程度なら充分対応出来るのと、速度の微調整が出来るので便利です。ホイール側のフロントブレーキワイヤーの調整部分に金具を設けてセンサーを取り付けます。センサーのケーブルはブレーキワイヤーと共にハンドル部分のメーターまで。ブレーキワイヤーのガイドにセンサー部分が通らないので、一度ガイドを外し、ガイドについている樹脂製のリングを切ってセンサーケーブルを入れて、元に戻してます。面倒ですがフロントタイヤの動きに合わせて上下動する部分なので、センサーケーブルの切断などのトラブルを回避する為になるべく負担の無い取り回しを。

取り付け後、純正メーターと比較しながら実際に走ってみます。スピードの誤差は設定で調整出来るのですが、大体純正メーターと速度をシンクロさせても走行距離に若干の誤差が出ます。多分、サイクルメーターは速度変化に対するレスポンスが悪く(速度表示が追いつくのに5秒くらいかかる)、その間に実際の走行距離とのズレが生じるんじゃないかと思います。市街地走行で加減速を頻繁に繰り返すと誤差が大きくなるかも。しばらく様子を見ながら我慢出来る範囲であれば、純正のメーターを取り外します。トライアルはガソリンタンク容量が少なめでガス欠の心配があるので、速度よりは距離計の信頼性の方が重要なんですが。

PANORAMのサイクルメーター。

小型軽量で多機能でその上安くてベリーグーですが

夜間は見えません。

機能やセンサの種類(ケーブルかワイヤレスか)によって

色々種類があります。

機能としては速度と走行距離さえあれば充分ですが。

 

センサー部分。

分かりにくいですが、ブレーキワイヤーと共締めする様に金具を製作。

スポークに付いてる丸い金具がセンサー用の磁石。

スポークは斜めになっているので、センサーと磁石のクリアランス調整がやや難。

 

シフトペダル

一般的なトライアルバイクは、乗車中(競技中)に不意にペダルに触れて意図しないギヤチェンジをしない様に、ステップからかなり離れた位置にシフトペダルが有ります。対してTLRは公道走行を考慮して、シフトペダルはリンクを介してかなりステップに接近した配置になっています。街乗りがメインであればこのままの方が都合が良いでしょうが、山も走りたいと言う場合、シフトミス防止の他に複雑なリンクが有る為に余計なトラブルを引き起こす要因になりかねない、岩や木に当ててしまいかねない、などの理由から、リンクを介さずにシャフトにダイレクトにシフトペダルを取り付けた方が良いのではないか、という事でダイレクトチェンジ化です。FANTICに乗って離れたシフトに慣れたからでもあるのですが、ペダルが離れると当然ステップに足を乗せたままではチェンジ出来なくなるので、一般的な走行をするには不向きな改造です。

標準状態に戻す事も有り得るかもしれないので、純正のシフトペダルは残し、新たに別のペダルを用意します。使えそうな中古のペダルをオークションで買ってみました。ホンダならシャフトの取り付け部分もみんな一緒だろうとCRM250用のペダルを買ってみました。ペダルを580円で落札。それに送料が950円で計1530円になってしまい、ペダルもクタクタでとても程度が良い物ではなくて、何だか割高じゃね?と思えるのですが今更仕方が有りません。それを車体に合わせて曲げ加工。クランクケースを避ける用にオフセットさせます。

純正のシフトペダル。

リンクを介してステップに近づけています。

CRMのシフトペダルを使ってダイレクトチェンジ化。

純正と比べると若干前寄りに移動し、

リンクが無くなる事でスッキリシンプルになります。

 

見てくれよ。この絶妙な曲げ具合凄くね? まるで純正パーツみたくね? オレってば凄くね? オレってばネ申くね? と、ご満悦な所で驚愕の事実が発覚。

 

CRMとTLRはシャフト径が違いますorz

 

なんてこった!ネ申降臨です。トホホネ申降臨。まさかシャフト径が違うとは。みんな一緒かと思った。1530円も掛けちゃったんだから今更使えませんでした、などということは貧乏人にとって決して許されるものではありません。落ち込む気持ちを奮い立たせ、シャフトにクランプする割りの部分(切れ目)を大きくして、更にクランプするボルトの穴を削り(そのままではボルト穴が斜めになって締め付け出来ない)、無理やり穴径を狭めてシャフトに固定してみます。が、走行中にクランプ部分が緩んでしまいます。これ以上無理してシャフト側を傷めてしまうと致命的になってしまうので、涙を飲んで1530円を諦めることにします。

あー、やっぱり無難にTLR用のペダルを加工するべきだったね。でもオークションは業者ばかりで程度の割りに高いんだよね。

 

シート

モディファイではありませんが、破れたシートを何とかせねばなりません。シートのクッション材であるウレタンは、雨水などで劣化するのでこのまま放置する訳にもいきません。TLRのパーツリストを見てもシートカバーだけは部品として出ない様で、新品のシートの価格を見るとおおよそ1万円前後と思われます。以前DR−BIGのシート補修を頼んだ野口装美でも張替えは1万円から。なかなか微妙で厳しい金額です。そんな折、オークションでTLRの破れ無しのシートを発見。画像を見る限りでは純正品に見られるロゴが無い為、一度カバーの張り直しを行っているようですが、破れも無さそうだし、一度直しているならそれはそれで好都合かと思い購入してみました。

届いたシートは破れ無しで、カバーもまだ弾性が有るようで程度も悪くなさそうです。裏側をみるとウレタンが変色してますが、使用に関しては問題なさそうだし、この値段なら仕方が無いでしょう。あと、シートを車体の引っ掛ける爪が折れて補修してありましたが、まぁこれも使用上は問題なさそう。シートが2100円に送料が820円。4、5千円は覚悟していたので、安く上がって助かりました。

破れたシート。

後ろの角付近が破れて補修シールで誤魔化してあります。

本来は200と書かれてますがシールで見えません。

シートは前下がりの形状で、乗っていると体が前にズレてしまってあまり良くありません。

余裕があればシート補修に出すついでに形状もフラットにしてもらいたいところ。

オークションで買った中古のシート。わりと綺麗。

一度張替えられているようで、ロゴが有りません。

排気量が謎のバイクになりました(笑)

カバーを引っ張りながら張るので、先端部分が少し浮いてますが

仕方が無いでしょう。

古いシートも車体に引っ掛ける爪が変色して折れ掛けてる様ですが、

この爪はウィークポイント?

普通はこんな所には負荷は掛からない様に思えるのですが。

とりあえず安く直せて良かった。

 

今回の出費

コンデンサー @500円くらいだった様な気が×2 1,000円

シフトペダル  580円

送料      850円

シート    2,100円

送料      820円

加工賃      0円

計    5,350円

5千円でこれだけ出来れば充分でしょう。CRMのペダルが無駄になった事は忘れたい。

部品の購入、整備、改造等は、自己責任で行って下さい。ここに書かれている事を参考にして被害に遭われても、当方は一切責任を負いません。

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