SingleSmile ver エンデューろ

マシン作り その1

一般車両をレースに使うのですから、それなりの準備をしなければなりません。別にそのままの状態でも走れないことはありませんが、少しでも有利に、そして確実に完走する為には相応の準備が必要です。地味で面倒臭い作業ですが、レースよりも準備期間の方が遥かに長いです。準備段階から、既にレースは始まっているのです。

 

タイヤの準備

現状は前後共チビたミシュランのSIRACを履いており、とてもこのままエンデューロを走れる状態ではありません。そこで、レース直前にタイヤを購入して交換するつもりだったのですが(お金の関係上)、バイク屋さんの話では、この時期はシーズンの始まりということでタイヤも品薄状態になるかもしれないとのこと。フロントはともかく、DRのリヤは17インチで選択幅がほとんど無い為、欠品となると入手が難しくなりレースどころではありません。金銭的に厳しいですが、まずはタイヤの確保から。

リヤタイヤ

ピレリ MT21

結局はピレリ。リヤはほとんど選び様がありませんが、レースに使う事を前提に考えたのが、ピレリのMT21とメッツラーのKAROO。MT21は今までに使用した経験があり、性能は体験済み。対してKAROOは、バイク雑誌のビッグオフ系の記事で高く評価されている銘柄。価格はMT21に対して1700円高いだけなので、今回はKAROOを使ってみようかとも思ったんですが、KAROOのタイヤパターンはミシュランのT63と良く似たパターンで、横方向に逃げやすいのではないか?とも思えます。砂漠を豪快に走るなら直線的なトラクションしか必要ないかもしれないし、ビッグオフの場合その方が意図的なスライドによって向きを変えやすいという事もあるかもしれませんが、それは相応のテクニックを持つライダーだから出来る事で、平凡なライダーがタイトなコースをコンスタントに走るには、グリップ走行した方が安心感があるし結果的には速いです。そこで、今回は実績のあるピレリMT21を使う事にします。早速いつものGT商会に注文。在庫切れで納期が掛かるという返信メールが来ましたが、それでも予定より随分と早く、数日後には届きました。

チューブは現状問題無いのですが、年数が経っているので念の為新品に交換し、外したチューブを予備にします。チューブは通常の物より厚手のヘビーチューブを使用。パンクしやすいリヤは、ヘビーチューブよりも更に厚手のウルトラヘビーにしたいところですが、17インチのラインナップは無いようです。チューブが厚手なので、タイヤ交換は若干やりにくくなります。

 

フロントタイヤ

ダンロップ D908

フロントは21インチなので、何でも履けます。レギュレーション上はモトクロスタイヤでも良いのですが(ビギナークラスなのに何でもアリかよ?)、ここは紳士的にエンデューロタイヤ(一般道走行可)を使います。

悩んだ末に、ダンロップのエンデューロタイヤを選択。バイク屋さん(坂内のレースの常連)の話では、ブリヂストンよりもダンロップの方が印象が良かったという事と、ブロックの間隔が広過ぎないこと、それに価格も程ほどであることで決定。個人的にはメッツラーの6DAYSというネーミング(ISDE−インターナショナル 6デイズ エンデューロが名前の由来)にそそられたのですが、ブロックの間隔が広めで、見た限りではどちらかというと軟質路面向きな印象を受けます。エンデューロタイヤの多くはブロックの間隔が広めで、レースや練習でコースしか走らないというのであればそれでも構わないのですが、ヘビーマシンに履かせてレース後に一般道も走ることを思うと頼りないフィールになりそうな気がします。が、正直これらのエンデューロタイヤを履き比べても、僕の感覚では違いを感じ取れるかどうか怪しいし、どれを選んでも1時間のレース程度では間違いと言える程の差は出ない気がします。それならば6DAYSのネーミングで自己暗示を掛けた方が良かったのかも?

フロントのチューブも、ヘビーチューブの新品に交換。フロントは一般的な21インチサイズなのでウルトラヘビーも選択出来るのですが、フロントはそこまで必要ないだろうという判断からヘビータイプにしておきます。耐パンク性は、コース状況や走り方で大きく変わります。また、ノーマル < ヘビー < ウルトラヘビー の順で重くなります。

 

その他

タイヤ交換のついでに、スポークニップルの増締めを行います。緩んだまま走行するとリムの変形や、最悪の場合スポークが折れます。酷い状態になるまで放置すれば相当な費用と手間が掛かりますが、酷くなる前に行えば増締めも比較的簡単に済みます。が、しかし、リヤのニップルは錆で固着してしまってビクともしません。幸いリムに酷い振れも無いし、特に緩んでいるようでもないので、ヘタに無理して触らずに今回はこのまま使用することに。

もう1つ問題なのは、リヤのリムにビードストッパーの取り付け穴が無いということ。ビードストッパーというのはリムとタイヤの接触部(ビード:タイヤのミミの部分)で空回りをするのを防止する為のもの。空気圧を落として走行するオフロードの場合、リムだけ回ってタイヤとズレてしまう事があります。空回りするとどうなるかというと、リムとタイヤがどんどんズレていき、タイヤにつられて中のチューブもズレていくのですが、チューブのバルブ(空気を入れる所)はリムの穴を通っている為バルブが引っ張られてしまい、最終的にはチューブが裂けてしまいます。しかも、裂けたチューブは修理出来ません。パワーのあるマシンでオフロード走行する場合は必要になる物です。無しでいくべきか、とも思ったのですが、僕のバイクのお師匠さんが「適当に穴を空けとけ」と申されるので、適当に穴を空けました<いいのか?

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