bS 工具のラインナップ

どんな工具をどうやって揃えるか? 必要な物ってどんな物?

整備の状況や車種によって、必要になる工具も様々ですし、あると便利だけど、無くてもなんとかなるというような物もあります。何が必要かは、自分の整備状況で合わせてもらうとして、最低限必要な工具について考えてみましょう。

 

ドライバー

一般的で使用頻度も多い工具です。プラスネジの溝は規格で決まっているので、必ず溝に合った大きさのドライバーを使用します。ドライバーの先端の大きさはbP、bQ、bRの3種類。bPは小さくて、bRは大きい物です。よく使われているのはbQの大きさです。プラスネジは特にナメやすい(ネジ穴を傷めやすい)ので、品質のしっかりした物を使いましょう。bQは使用頻度が高いので高品質でグリップが握りやすく力を入れやすい物を。bRのビスは緩めるのが困難な場合があるので、ドライバーの軸部分にスパナを掛けて回せる物の方が便利。

マイナスネジはあまり使用されませんが、隙間をコジたりする時に使ったりします。普通のドライバーが入らないところで使用する、ショートドライバー(スタビ)もあると便利です。先端がマグネットになっていると、手を離してもビスを保持してくれるので便利。先端を磁化するツールもあると便利。

ドライバーは使っている間に先端が磨耗してきます。磨耗したドライバーを使うと、ビスにしっかりトルクを伝え難くなり、ネジ側も傷めやすくなりますので、そうなったら早めに新しいドライバーに買い替えましょう。ドライバーは他の工具に比べて、作業にコツが要ります。また、使い方で寿命が全然違ってきます。一見簡単そうで一番取っ付きやすい印象を受けますが、初心者ほど傷めやすいので注意が必要です。

 

レンチ類

ボルトを締めたり緩めたりするには、レンチ類を使います。レンチには、スパナ、メガネ、コンビネーション、ソケットなどがあります。小さなボルトになるほど、作業中にトラブルを起こしやすいので注意。

スパナ

ボルトを回す部分が開いているので、オープンエンドとも言われます。メジャーな工具で使いやすいのですが、ナメやすい(ボルトの頭を傷めて回せなくなる状態)ので、スパナしか使えない個所以外は他のレンチを使うべき。特に小さいサイズほど注意が必要。

メガネレンチ

ボルトを回す部分がリング状になった物。スパナと違い、ボルトを回す部分が開いてないので強度が高く、確実な作業が出来ます。12mm×14mmというように、2種類の大きさが1つになっています。メーカーや種類によってオフセット(曲がりの部分)の大きさが異なります。このオフセットの具合や、柄の長さによっても使いやすさが違ってきます。

コンビネーションレンチ

片側がスパナでもう片方がメガネレンチになっている物。スパナをそろえるよりはコンビの方が実用的。ただし、スパナ部とメガネ部は同じサイズなので、必要なサイズ=必要な本数になります。

ソケットレンチ

ソケット(又はボックス)と呼ばれる物と、ハンドル(ラチェットハンドルなど)と組み合わせて使います。奥まった所にあるボルトや、動きの渋いボルトを回すのに便利です。ラチェットハンドルやエクステンションバー(延長棒)、Tハンドルなど、豊富な組み合わせができ、作業効率がアップしますが、ボルトからハンドルが離れれば離れるほどハンドルがネジレやすく、力が掛け難くなります。ソケットとハンドルを組み合わせる部分は規格で決まっていますが、バイクの整備で使うのは大体2種類。比較的小さなソケットは小さい方のハンドル(9.5mmSquareDrive:ソケットをはめる軸が9.5mm角)に合わせ、大きめのソケットは大きい方のハンドル(12.7mm)に合わせるといいでしょう。もっと小さいサイズや、もっと大きなサイズのハンドルも有りますが、それらを揃えるのはサンデーメカニックにはコストが掛かり過ぎるので、お勧めではありません。規格で決まっているので、メーカーが異なるハンドルとソケットでも一応使用することが出来ます。

ボルトを締めたり緩めたりする場合、出来るだけメガネレンチかソケットレンチを使います。メガネレンチとコンビネーションレンチを1式、よく使う大きさのソケットレンチとラチェットハンドルを揃えるといいのではないでしょうか。

メガメレンチ(上)  コンビネーションレンチ(下)

 

ソケットレンチ類 組み合わせて使う。

ラチェットハンドルは早回しに便利ですが、本締めには向きません。

Tハンドルも結構便利。

コツは、エクステンションバー等は必要な時以外なるべく使わず、

ボルトに極力ハンドルを近付ける事。

 

六角レンチ

キャップスクリュー(六角の穴があいたボルト)を回すのに使います。六角形の形をしたL型の棒です。片側がボールポイント(ボール状になっていて、レンチを斜めにしてもボルトを回せる)になっている物が便利です。ハンドルが付いた形状の物など色々ありますので、自分の使いやすい物を見つけましょう。使われるサイズは、5、6、8、10mmくらい。

 

その他に、ペンチ、ラジオペンチ、ニッパー、ハンマー、プラスチックハンマーなどがあると良いです。

ここに挙げた物は基本的な工具ですが、他にも細部が異なる物や、特殊な形状をした物が色々あります。それぞれに長所、短所が有りますので、自分なりに使いやすい工具を探してみてください。

工具はあくまで整備をする為に必要な道具です。無闇に高価である必要はありませんが、低品質の工具を使ってより厄介な状況になる場合も有ります。特に初心者は良い品質の物を用意した方が無難です。

前のページ   次のページ

 戻る

 

 

inserted by FC2 system