前々から気になってたアプリリアのMOTO6.5に試乗する機会に恵まれました。
インチキインプレだから軽く聞き流してね。
前々からMOTOは気になってたのです。
小粋なアタリアの単気筒マシンMOTO6.5。
やっぱラテン娘は違います。ラウンドフォルムがキュートです。
スタルクとかいうデザイナーがデザインした物らしいんだけど、僕は別にスタルクデザインなどどうでも良くて、
単にMOTOが良いのです。
ハンスムートが好きなんじゃなくて、カタナが好きだと言うのと同じ意味合いですから、ある意味スズキ的な訳です。
しかし玄人好み(=マニアック)であるからして、試乗どころか普段実車を見ることすら出来ません。
そんなMOTOを目の当たりにする機会があるのですから、放っておく手はありません。
ここは1つ、試乗のお願いをしてみましょう。
「いいじゃねーか別によー。減るもんじゃあるめぇしよー。ちょっと、ほんのちょっとだけで良いからよー。」
などと酔っ払いオヤジよろしくセクハラまがいの説得でMOTOを借り受けます(オーナーは女性です)。
SSM名誉会長は参加者のバイク全てに試乗できる権利があるのです(ウソです)。
さて、早速MOTOに跨ってみます。
案外シートが高いです。身長177cmの僕でも足付きは良くありません。キュートなフリしてラテン娘は侮れません。
ポジションはまるでオフ車。ステップはかなり前で、ハンドルバーも幅広で位置も高いので、ほんとオフ車的です。
MOTOは始動性が悪いと言う噂なので、始動はオーナーにやってもらうことにしますが、
単にセルボタンを押すだけで掛かります。
さて、いよいよ胸踊る鼓動高鳴る鼻息荒い期待の試乗です。
会場のみはらしファームの先は曲がりくねった道が続いてるのは地図で確認してるのです。
ワインディングでMOTOを存分に味わう算段です。
と、思ったら思いのほか道が狭いです。かなり狭いです。もう狭いってもんじゃないです。
車と(バイクが)すれ違うのがやっとです。おいおい、なんて道だ。
それでも機をうかがってアクセルワイドオープン!
吠えろ!オレのロータックス!<お前のじゃねーだろ
バァボー・・・
バボーって何だよ。天下のロータックスエンジンがバボーじゃねーだろ。
それ!もう一度ワイドオープン!
バボー・・・
えーと、回りません。
MOTOは低速寄りのセッティングだとは聞いていましたが、これは「低速寄り」ではなくて、「低速だけ」です。
タコメーターが無いので実際にどれくらい回ってるのか分かりませんが、上の方で吹け上がらない感じがします。
MOTOってこんなものなんでしょうか。
これは少々というか、かなりガッカリしました。
でも綺麗に楕円でデザインされたスイングアームの奥には、ちゃんとリンク式のリヤサスペンションが備わっていて、
しっとりとした動きをします。
ブレンボの片押し式フロントブレーキも、ストロークがかなり多目ですが、効きは良好です。
車体の出来に関しては試乗が短過ぎてよく分かりませんでしたが、そんなに適当に造った感じは受けませんでした。
F650なども同系のエンジンですが、MOTOの場合は2つある吸気ポートを1つに絞ってシングルキャブにしています。
排気系もデザインのために形状やスペースが著しく制限されているみたいです。
そういう点も影響しているのかもしれませんが、それでもロータックスのDOHCエンジンがあの程度のものとはとても思えません。
これは個体差によるものなんでしょうか。
キャブが詰まりかけてるとか?
いや、それよりもエアーフィルターか?
スパークプラグは?
長野は標高が高いからセッティングが濃くなってしまうとか!?
あぁ、そもそもこのサイドスタンドが渋くてパコンと戻らないのが潤滑フェチの僕にはもう我慢ならない。
あぁ!もうこの場で分解整備してしまいたい!
あぁ!もう気が済むまでバラバラにしてしまいたい!
そんな衝動を抑えるのに必死で、僕は試乗から戻ると無口になっていました。
高回転が鈍いのは個体差のせいでしょうか。
MOTOは本当にデザインだけのバイクなんでしょうか。
別のMOTOに乗ろうにも、MOTOはこの1台しか無いので比較のしようがありません。
同系エンジンのF650にも同時に試乗できると良かったのですが、そうそう無理も言えません。
また試乗の環境も良くなく、時間も非常に短かったので、適正な評価を下すのは難しいです。
僕はなにもMOTOをけなしたい訳ではありません。
厚意で大切な愛車を貸してくださったオーナーをバカにしてる訳でもありません。
MOTOは僕の好きなシングルマシンの1つです。
ですからデザインだけでなく、ライディングフィールも楽しいものであって欲しいのです。
まずは完全整備してみて、その上でまだ回転が鈍いなら、
同系エンジンのパーツ流用やファインチューンでパフォーマンスアップすることで、もっともっと良くなりそうです。
イタリアン・シングルのその美しい車体の中に、まだまだ秘めたる計り知れないパフォーマンスを感じました。
上手く仕上げれば、きっとハスクヴァーナも真っ青、シャンボンもビックリなスーパーモタードになるに違いありません。
と、いう訳で次回は、
「徹底検証!ラテン娘の裏の裏! 8000rpmの絶頂エクスタシー」
という企画でMOTO6.5をバラバラにしてみたいと思います。
しかし同じ単気筒といっても、XR600、DR800、SRX−6、MOTO6.5では全くフィーリングが違います。
これ程までにフォーリングが異なるなんてシングルは面白くて奥深いです。
もっといろんなシングルマシンに乗ってみたくなりました。